『エクソダス:神と王』を観る。リドリー=スコットの『ロビン・フッド』は案外、面白くて、考証はほどほどだけれどいろいろ派手というところが実にリドスコらしいのだけれど、時代をさらに遡った本作でもかなり好き放題をしている。歴史上の英雄がベトコン風のゲリラ戦を指揮するパターンがここでも踏襲されているのはご愛嬌。
美術は圧倒的で、これがCGでなかったらスタジオが倒産してもおかしくないスペクタクルを見せているし、デザインも洗練されている。神の暴虐ぶりを描くことにはかなり力が入っていて、メンフィスを襲う十の災いの描写はリアルなのだが、一方で宗教的な雰囲気が希薄なのでちょっと不思議な印象となっている。紅海での奇跡も海が割るわけではない現代的な描写で面白い。