ダブリンの時計職人

『ダブリンの時計職人』を観る。何となく牧歌的な印象のある邦題ではあるものの、ロンドンで職を失いアイルランドに帰ってダブリンの海岸の駐車場に寝泊りする男を主人公とした映画で原題はそのまま『Parked』。ジャンキーの青年とのかかわりをもつなかで人生を立て直そうとする話なので、話の筋はそれなりに厳しい。主人公を演じるのはダブリン映画といえばこの人という感じのコルム=ミーニイで、何かと辛そうではあるけれど、顔つきからして打たれ強い印象が、さして救いのない物語に何となく前向きな印象を添えていて読後感はそれほど悪くない。

八ヶ岳