『ドム・ヘミングウェイ』を観る。ジュード=ロウが10キロ増量して役作りをしたという話だけれど、パッケージに写っている男性ホルモン過多の男はトラボルタにあらずジュード=ロウなのである。怒りを抑えることができないと語る男が冒頭から雄叫びと暴言を続けるテンションで話はすすむ。ロンドンノワール風とみせて、父娘の葛藤が主軸という趣向だが、これに絡んでくるドタバタは単にドタバタとみえて噛み合わせが考えられているわけでもなく、特に感心するような遣り取りにもなっておらず、キャラクターの個性だけで引っ張るのには多少、無理があったという気がしなくもない。