『ビッグ・アイズ』を観る。ゴーストライターならぬゴーストペインターが描き60年代を風靡したビック・アイズの実話をもとにティム=バートンが監督した映画。妻が描き夫が売り、結局はスキャンダルとして裁判にまでなった話について、その裁判をクライマックスとして描いているのだけれど、夫役のクリストフ=ヴァルツが演じる茶番はかなり可笑しくてこれは見もの。画面はティム=バートン一流の色使いで、風物をよく再現しており悪くない。エイミー=アダムスの演技プランはいつもの通りという感じながら、ゴールデングローブ賞に値する仕事で、しかしクリストフ=ヴァルツのクズ男ぶりもなかなかのものである。
エンドロールに実際のマーガレット=キーンとそれを演じたエイミー=アダムスのツーショットが出てくるのだけれど、現実と虚構をあっさり同居させるこんな写真を使ってしまうあたりはいかにもティム=バートンという感じ。