『ファーナス/訣別の朝』を観る。クリスチャン=ベイルの思いつめたような感じはどちらかといえば苦手だし、ハナから景気が悪くて殺伐とした感じが漂っているわけだけれど、役者の揃い方には目を惹くものがある。ケイシー=アフレックとウディ=ハレルソンは適役で、復讐劇に説得力を与えているし地味ながらサム=シェパードも見逃せない。凡百の演出なら立ち回りで示す緊張感をその存在だけで醸しているシーンがあったりする。
ハンターとしての主人公を描いた文脈からラストのシークエンスにつないでいく物語の構築はなかなか見事なものでちょっと感心した。全体としてよく考えられている。