マエストロ!

『マエストロ!』を観る。『武士の献立』では船木伝内を演じていた西田敏行が、こちらでは解散したオーケストラを再招集する謎の指揮者。フィルモグラフィーには膨大な作品が並んでいてその売れっ子ぶりには感心する。役所広司と堤真一、西田敏行あたりは邦画の記号と化している感がある。本編の主人公は松坂桃李という新進なのだが、この人まで堤真一に似ているように見え、いったい何がどうなっているのか。
原作のマンガは未読だが、主人公はコンマスだとして、おそらく楽団員それぞれの逸話を積み重ねていくフォーマットを持っているに違いないのだけれど、若干長めの129分の尺とはいえ各エピソードを詰め込むには無理があるとみえて、全体としてはなんだか散漫になっている。残念ながらクライマックスのオーケストラの場面にもあまり感心するところがない。

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