朝、犬の散歩に出かけたあと、おもむろに京都へ。ゴールデンウィークも前半という位置付けみたいだけれど、多くの労働者にとってそんなものは存在しないのを証明するかのように車の量はさほどでもなく、昼には西陣あたりに到着。バスの一日乗車券を買い求め市内を上がったり下がったりしていろいろと楽しむ。
今回も寺町界隈や錦市場を徘徊したわけだが、鹿苑寺まで出かけて公開中の方丈を拝見したのがひとつのハイライト。檀那の間の角度から眺めた金閣は、大きく育った松が視界を遮るので今や構図としてはイマイチであるものの、往時に想いを馳せてみたり。舎利殿の内装は壁面が金箔貼りで床は黒塗りの漆になっており、この結果として室内に配置された実像は床に反転して鮮明な虚像を結ぶという話だけれど、写真でみるとこれはスキューモーフィズムを採用していたMac OSのアイコン下部についていたリフレクト効果を彷彿とさせる。スティーブ=ジョブズは京都によく来ていたという話だから、このあたりの仏教芸術に影響を受けたことがあったとしても全く驚かないし、そうした歴史的文脈を我がものに取り込むことで生まれる奥行きは計り知れない。