『ワイルド・スピード SKY MISSION』を観る。ポール=ウォーカーは本作の制作中に40歳で亡くなったのだけれど、ほとんどの見どころには顔を出していて撮影はほぼ終えていただろうことが窺える。ラストシーンはその夭折を惜しむ気持ちが伝わるつくりで、ここばかりは後から繋げたことがわかるのだけれど、それがまた切ない。ポール=ウォーカーといえば確かに笑顔の魅力的な俳優だったのである。
ストリートレースを題材としていたあの頃から話の向きは大きく変化して、すっかりハリウッドアクション大作の流儀でつくられ、久しぶりにカート=ラッセルが出演しているけれどこちらも政府の秘密組織ということで、スーパーなハッキングシステムは出てくるし『ミッション・インポッシブル』あたりと選ぶところがない。思えば数作前からその傾向はあったけれど、今回から監督もジェームズ=ワンに代わり、かつての『FAST & FURIOUS』の世界からは様変わりしている。ニトロを車に載せることが一大事という時代もありました。
そのジェームズ=ワンに断られたにもかかわらず『FAST & FURIOUS 8』は最後の三部作の嚆矢として準備中ということだけれど、ちょっと如何なものかと思いつつ、しかしカート=ラッセルの銃撃戦はもっと腰の据わったやつを観てみたいような気もする。