『京都人の密かな愉しみ/夏』をみる。前日に「これまでの事情」を予習しておいたおかげで、続編たる今回の放送も楽しむことができたけれど、夏らしく怪談話も混じっていたり趣向が変幻自在で凝り固まっていないところにも好感が持てる。進取の気質こそ実は京都の強みとするところであるがゆえ。
ドラマの合間に薀蓄や観光案内、果ては料理の実演まで入るこのフォーマットを気に入っているのだけれど、小説でいうなら司馬遼太郎の筆致のごとく自由であり、その書くところに似た印象があって、ドラマにもこうした進化の方向はあるだろうと思ったことである。