NHKスペシャルで『史上最大の救出』を観る。各地の消防隊からなる緊急消防援助隊の初期活動に焦点を絞った内容で、主に初動の72時間においてどのような救出活動が行われたかが語られたのだけれど、4年近くが経つなかで奇跡的な救出がなされたことよりも救助し得なかった悔恨のようなものが前景化しているあたりに建設的な意味合いがあったように思う。状況において個々の努力が即応の範囲にあったのは仕方のないことだ。
往時の映像でサーチアンドレスキュー活動の無線での交信が何回か出てくるのだけれど、ことに山梨隊のやりとりは言ってしまえば飄々とした印象を受けるもので、非常事態において達人の間合いとはかく現れるのであろうとかえって胸に落ちる。