自衛隊版『ディアーズ・オブ・ザ・サン』かと、気になっていた月村了衛の新刊『土漠の花』がKindleで安くなっていたのでつい買ってしまう。機龍警察シリーズの短編集も出ているけれど、こちらは未読。
ぼちぼち読み進めているわけだが、海外でドンパチをやる自衛隊という設定そのものは近未来感とともに語られなければならないというのがこれまでの常識だったわけだけれど、今や地続きの時制にそれはあって、月村了衛も参照したに違いない『パトレイバー2』の冒頭シーンよりも本作がだいぶ同時代的な印象であるのは、もちろんレイバーの有無によるものではない。おりしも安全保障法制の論戦が国会で交わされている時勢、エボラ対策での自衛隊派遣が検討されていたりするなかで、小説の想像力が語るあたりは明日起きたって不思議ではない。