図書館の若人向けコーナーに松岡正剛の『多読術』がおいてあって、これを読む。なかなか行き届いた棚の作り方と思えて感心したのだが、この本自体、松岡正剛入門といった内容となっていいて興味深い。多読のひとをつくるのは間テキスト性とアナロジーの力に対する確信であって、書そのものに対する個別の興味は二の次であることがよく分かる。アナロジーこそが自分をイノベーティブにするという言い切りは名言であろう。結局のところ、知的生産性が高いといわれるひとの見解は概ねそのあたりに行き着く。
高田大介の『図書館の魔女』に、読むべき本を識るということの重要性があったけれど、松岡が「目次読書法」として紹介している方法はその具体論であってこの類似は興味深い。