大統領の料理人

『大統領の料理人』を観る。ミッテラン大統領のプライベートシェフを務めた女性料理人の実話を基にした映画で、家庭的な料理を好んだ大統領のために様々な料理を作り出す主人公という設定ながら、エリゼ宮はその名の通り宮殿であり、家庭的とは最高の厳選高級素材の持ち味を活かした料理という意味で庶民的にあらず、実に美味そうな料理が次々と出てきて腹が減る。
フランソワ=ミッテランはどういうつもりかというくらい実物とは似ていないのだけれど、文人と呼ばれたその人のキャラクターはよく表現されており、そしてどうやらその食生活は王侯と選ぶところがなくてちょっと驚く。
結局のところ、少しほろ苦いところのある物語ではあるけれど、南極基地の場面との時間軸の交錯は効果的に機能している。

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