『恐怖の人体研究所』を観る。今や割合よくみかける感じのモキュメンタリーで、1970年代に民間の超能力研究所で起きた実話の解明という体裁をとりつつ、当時の関係者の証言と実験映像によって、ある特異な被験者をめぐることの顛末が構成される。平凡な超能力実験に紛れ込んだ異界の恐怖という内容から予想される展開に意外性のようなものは全くなく、オチも想定の範囲ではあるけれど、細部の作りこみが丁寧で破綻が見えないので好感が持てる。監督は『[リミット]』の脚本を書いたクリス=スパーリングで、大きなヤマはないけれどきっちりとした噛み合わせで話が進んでいくあたりが持ち味とみえて結構うまい。