『新しき世界』を観る。韓国映画版の『インファナル・アフェア』という感じの組織犯罪もの。この手の映画の常として、殺伐とした雰囲気の134分なのでちょっと疲れるけれど物語の密度は濃いし、いろいろキチンと作られているのでなかなかに見応えがある。ハリウッドでのリメイクも決まっているという話だけれど、先例に従えば本作のほうが面白いということになるのではあるまいか。
主人公の潜入捜査官を演じるイ=ジョンジェの神経質そうな雰囲気もいいけれど、その兄貴分のパク=ソンウンのキャラクターがよく立っていて、全体をドライブしている。エレベーターでの死闘につながる襲撃シーンの立ち回りは本編の山場。
監督・脚本は『悪魔を見た』で脚本を書いているパク=フンジュンということだけれど、この作品でもエンドロール直前のシークエンスが効果的で、語り口の趣味がよく好感がもてる。