『桐島、部活やめるってよ』を観る。いや、高校生は無理だろうという役者が散見されるのを除けば、いわゆるリアルな高校生像を描こうとしているようにみえる。といっても、ここにあるのは現実に存在しそうな日常ではなく、目指しているのはオズとタランティーノの融合による邦画の現代化といったところか。クライマックスの屋上シーンは秀逸。
無論、シンパシーを感じるのは映画秘宝を熟読する種類の高校生活で、体育会系の人間関係の機微などどうでもいいほうである。主に感情移入できるのが神木隆之介という映画は、珍しいといえば珍しいし、全体の後味も悪くない。