『海街diary』を観る。吉田秋生の原作は未読。鎌倉に住む四姉妹の四季を描き、しかし耽美ではなく、女優は美人揃いだけれど、失礼ながらそうとは撮らないところが是枝裕和監督の仕事であろう。いつもと変わらぬ面立ちと見えるのは樹木希林だけではあるまいか。
だがしかしもちろん、その誰も物語と不離の魅力があり、飾ったところのない画面は端正で、ままならない人生のことだから重いところがあるにして、この128分は心地よい。大変よろしいのではないだろうか。このところ邦画に感心することがたびたびなのだけれど、年の瀬も押し詰まってこれもアタリという感じ。