液体被害

本邦のミステリーでいうなら「日常の謎」に分類される類いの話であるにもかかわらず、報道では何やらおどろおどろしい呼び名で事件としての扱いが先行している一連の件は、そもそも一連であるか明らかでない状況で、経緯そのものの解明よりは、攻撃を受けたのだという反応が前景にある印象で、今日の日本社会に台頭している非寛容と排外的空気と連動している気がしてならない。風評被害という言葉がそうであるように、このタームには事実を報じる際の立ち位置について無神経なセンスが表出していると思うのだけれど、どうか。