第三者委員会の報告書というのは、いつも面白い内容を含んでいるので事案のごと熟読するようにしているのだが、今回の東芝の一件についても本文だけで300ページ近いドキュメントであり、かなり読みでがある。
冒頭から過半は、電力だのインフラだのの引当の恣意性にかかわる説明が占めているのだけれど、ハイライトは後半以降にあって、特にパソコン事業については歴代社長が関わったあからさまな粉飾にかかわる内容が当人の発言も含めて記述されており、これが「不適切会計」というなら「粉飾決算」という言葉は使いどころがないという感じで興味深い。
組織的な関与をここまで書かれていながら、指示した認識がないと述べるのもなかなかのタマだと思ったものである。報告書の最終ページ、別紙3につけられたPC事業の業績は圧巻であり、月度の営業利益がやがて売上高を上回る振れ幅にまでなって因果の累積をよく示すものとなっている。