『記憶探偵と鍵のかかった少女』を観る。どうやらテレパス風のESPがなんとなく認知されている世界で、他人の記憶に潜り込むことのできる能力者をマーク=ストロングが相変わらずの端正な風貌で演じている。謎めいた少女として配されているのが、ヴェラ=ファーミガの妹にしては若すぎる21歳年下のタイッサ=ファーミガで、しかし姉上とよく似た雰囲気を醸し出しており、役者の仕事によってサイコサスペンスとしてはそれなりに上等な雰囲気の作品に仕上がっている。物語的な盛り上がりは比較的に静かなものではあるけれど、もとよりドタバタと大立ち回りがあるような種類の話ではない。もっと後味の悪い話にすることが出来たはずだけれど、実はじわじわといい感じの話に落ちているこの雰囲気はわりあい好きである。