早朝、ふらりと京都に出かけるというパターンが定着しつつあって、北大路界隈に午前11時着。娘と洋食のハセガワで昼飯を食べる。今回は出町柳駅から叡山電鉄に乗ろうという話になり、出町柳から終点の鞍馬まで30分、2両編成ののんびりとした電車に揺られる。
鞍馬寺の複雑な近況についても予備知識がなくて後から情報を仕入れたくらいなので、まず仁王門から本殿金堂に向かう九十九折がこれほど厳しいと想定しておらず、さらには奥の院までの道が輪をかけて険しいとは知らなかったのである。叡山電車で詣でる観光地であるわけだから周りにはサンダル履きで歩いている人たちもいたりして、うかうかと山道を分け入ってしまうことにもなるのだけれど、ゆめゆめ侮ることなかれ。ひいひいと這いずりつつ漸くピークを越え、貴船側に下って行く頃には足はガクガクになっている。この間、山とはいえ京都は京都なのでたいして涼しいわけではない。貴船の登り口ではいきなりの傾斜に怖気付いたカップルが鞍馬行きを断念して早々に引き返す場面にも会ったけれど、間違った判断とは思われぬ。
貴船に抜け、まずは貴船神社を参拝すると参道まで車で来たような観光客が列をなしているわけだが、こちらは性根の入り方が違うので、一緒に並んだりはしない。境内から翠の襖絵を見渡しつつひと息ついて、立ち上がれない感じになっている。貴船川に沿って吹く風は爽やかである。納涼床を見物しつつ、宇治抹茶のかき氷を食べて生き返り、ようよう帰りの電車に乗り込む。
そういえば土産を頼まれていたというわけで、さらにバスに乗って四条から錦市場、大丸の地下で買物とウロウロしているのだからそうはいっても元気である。夜はアジェでホソ塩を味わいつつビール。