『わたしに会うまでの1600キロ』を観る。メキシコからカナダへ、1600キロを歩くパシフィック・クレスト・トレイルに挑戦した一人の女性の自伝に基づく。物語は背負った荷物が重くて立ち上がれないあたりから始まるので相当に多難ではあるのだけれど、スタートから8キロを歩いた時点でテントを設営するという状況なので、8日目で食料が尽きたりする。サバイバルスキルの低さゆえにドラマが生じる種類のロードムービーだけれど、しかし時おり交錯する追憶のシーンからサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼にも似た雰囲気が徐々に立ち上がってきてそこからが面白い。邦題が示唆する通り自分探しの話だし、その価値観に必ずしも同調するものではないけれど何かしら感じるところはあって悪くない。原作の自伝で読むのはちょっとしんどいであろうという気がするものの。
リース=ウィザースプーンはウィレム=デフォーと区別がつかない感じだけれど、母親を演じたローラ=ダーンはとても素敵。