アフリカ某国事変

南スーダンに関する国会での質疑について、首相の答弁は「衝突あったが戦闘行為にはあたらず」というニュースになっているけれど、今さら指摘するまでもなく、かつて事変と称され、全体では日中戦争と呼ばれるに至った大陸での戦闘を想起せざるを得ない。
答弁の内容を読むとこれがニュースのヘッダー以上に難解なシロモノで「『戦闘行為』はなかったが、武器を使って殺傷、あるいは物を破壊する行為はあった」「われわれは、いわば一般的な意味として『衝突』という表現を使っている」と何を言っているのかわからない。そもそも「戦闘」の定義はないと添えていたりもするのである。
成功への道筋は多くあれど失敗には限られたパターンしかないという意見には大いに賛成するものだけれど、それに従えばこの明らかな既視感とともに失敗は繰り返されるであろう。論理と事実が蔑ろにされることによって、本邦は再び長い下り坂の途上にあると思うがどうか。