ヒラリー=クリントンの健康面での回復を割合まじめに願っている市井の一個人として、彼女のニュースには高い関心を払わざるを得ないけれど、のど飴らしき緑の物体を口から出した話まで報じられるのは少し気の毒。しかし何か得体の知れないものを出してみせたそのイメージはまるで『インベージョン』のエイリアンで、このたびの肺炎騒ぎも、そう思うと何らかの不具合で一時的に偽装が解けかけたインベーダーというプロファイルが当てはまらなくもない。歩くのもままならないという様相から一転、何ごともなかったかのように振る舞うこと自体、自身の人間味を減殺してみせているということに自覚的かどうか。大統領選を闘うというのはかくも過酷かと思ったものである。