『エヴェレスト 神々の山嶺』を観る。夢枕貘の小説で、谷口ジローがマンガにもしているこの物語の、さらに深町に岡田准一、羽生に阿部寛を配した映画化。羽生という人間の解明とエベレスト南西壁への挑戦を2時間でというのだから、もちろん無理はあるし、そもそも説明もないから登山そのものの過酷さにはだいぶ予習が必要で、1996年の大量遭難を扱った『エベレスト 3D』あたりをあらかじめ観ておいたほうがいい感じ。あれに比べると超人設定が過ぎてリアリティというものが霧散してしまう懸念があるとして。
岡田准一は以前から好きな役者で、この役回りの人相もとてもいいのだけれど、全体のダイジェスト感は覆しようもなく、いろいろと残念な感じで、何よりもエベレストを登るということがどういう体験なのか、わかってつくられた映画のようにみえない。
TBSは無理に大作を作ろうとしなくてもよいのではあるまいか。