オンデマンド

先週の『マツコの知らない世界』で紹介されていたスキ間掃除グッズの効果の比較写真にそもそも異なるキーボードが使われていたという、言ってしまえばあまりにも初歩的なビフォーアフター詐欺のような「手違い」の騒動があって、こちらとしてもその時はすごくキレイになるじゃんと単純に感心した覚えがあるのだけれど、まぁ、それはどうでもいい。
これを受けてTBSオンラインでは問題の写真が差し替えられた修正版が配信されていて、今回は訂正も簡単な事案だったからよかったものの、オンエア後に炎上した番組を二度と見られなくなる可能性に思い至って、オンデマンド礼賛の気持ちが少し後退している。『マツコ』そのものも、TBSオンラインに欠番となっているエピソードがいくつかあるみたい。
同調圧力から自主規制、さらには権力による検閲の傾向が強くなる世界で、クラウドとオンデマンドにコンテンツを集中させるということは、すなわちコントロールを容易にするということなのだ、いうまでもなく。表現のデリバリーとアーカイブの多様性を確保していくことは、単にオタクの収集欲の問題とはワケが違うという論点を明記しておく必要があると思ったことである。