『オートマタ』を観る。狙いは『第9地区』と『ブレードランナー』の融合といった感じの映画で、美術はニール=ブロムカンプ寄り、ストーリーもだいたいそんな感じ。天変地異によって荒廃した世界で、アントニオ=バンデラスの演じるロボット開発会社の保険調査員が機能改変されたロボットの謎を追うという筋書き。本邦の『イノセンス』も含めて先行作品の既視感はあるけれど、少なくとも前半は、予算のわりにいい雰囲気を醸し出しているのではあるまいか。オープニングでは世界崩壊の経緯が説明されるのだけれど、使われている精密なスチルはよく描けており素晴らしい。
残念ながら中盤以降はだいぶダレてしまって、端的に資金がなくなったという印象すらあるのだけれど、やりたいことはわかるし、失速後は『不思議惑星キン・ザ・ザ』みたいなビジュアルだとしても、むしろそこにあるSF愛を評価しなければならない。