『カリフォルニア・ダウン』を観る。ドウェイン=ジョンソンが主人公という段階で、込み入った話ではないということは知れるわけだけれど、だいたいそんな感じ。
カリフォルニアを連続して襲う地震のなかで、救難ヘリのチーフを務める主人公が、家族の救出のみを目的としてヘリを飛ばし盗難車を横取りした挙句、セスナを徴用する。時を同じくして、地震の直前に「磁気パルス」による予知を実現したポール=ジアマッティ演じる科学者はサンフランシスコへの超巨大地震の到来を予言して脱出を呼びかける。危機は連続し、スピード感はあるけれど細かいことは言いっこなしという映画で、制作サイドも悩んでいる様子はないみたい。
クライマックスには津波まで押し寄せるのだけれど、サン・アンドレアスを震源とする断層地震が津波を引き起こすメカニズムは不明。観測史上最大のM9.6の地震であるのはよいとして、高層ビルはことごとく崩れ去り、このあたりが見どころになっている。端緒となるM7.1の地震でフーバーダムが完全に崩落してしまうのだから、ひとたまりもないのだが、どうやらアメリカの建築の耐震設計には重大な欠陥があると考えざるを得ない。
主人公は二人の娘のうちの一人を自身がかかわる水の事故で亡くしそれをきっかけに離婚調停中という定番の背景事情があるのだが、こうなると一体何が起きて救えなかったのかという過去の経緯の方が気にかかる。