『チャイルド44 森に消えた子供たち』を観る。リドリー=スコットが製作で『デンジャランス・ラン』のダニエル=エスピノーサが監督をしている。原作の込み入った状況をどのように映像化するのかというあたりに興味は絞られるわけだけれど、そのための努力はほとんど放棄されていて、実際のところ原作を読まなければ何が起きているのかもよく分からないのではあるまいか。
主人公のレオをトム=ハーディが演じているのだけれど、このロシア訛り風の英語というのもちょっと如何なものかという感じだし、ライーサを演じるノオミ=ラパスの内面は例によって窺えず、スターリン体制下の不条理もイマイチ伝わってこない。
小説を読んで映画というのが正しい順序であり、いきなり映画というのはかなりもったいないことになる。