『デビルズ・シティ』を観る。悪魔が巣食うスラムのアパートを写実的に描いた上で、つまりコスプレ的デビルマンがウロウロと日常を過ごしている様子を描いた上で、ある日、目が覚めたらみんないい人になり、糧とすべき不幸のなくなった魔界のものたちが困ってしまうという話を、わりあい真面目にやっている。
大昔のスタートレックの造形を流用したような特殊メイクを施された悪魔が、にわかに到来した理想郷の謎を究明するドラマというのも、言ってしまえば馬鹿らしいのだけれど、雰囲気はハードボイルドスタイルのアメコミということもあって見てしまう。ダゴン風のキャラが多いのは撮影所の倉庫にクトゥルーもののマスクが残っていたとかいう事情によるものではあるまいか。低予算にして野心的ということが言えなくもないかも知れないけれど、しかしナンダコレ。