『トランスポーター イグニッション』を観る。ジェイソン=ステイサムの出世作となった『トランスポーター』のリブートという触れ込みの映画で、アウディのA8を端正に乗回すあたりは同じ。監督は『フルスロットル』でもリュック=ベッソンの映画をリメイクしていたカミーユ=ドゥラマーレというひとだけれど、実にリュック=ベッソン的な映画を作るので、派手は派手として代わり映えというものはあまりない。そうは言っても新趣向は入っていて、主人公フランクの父親が大活躍という世代構造は本作の生い立ちにも重なって興味深い。オリジナルを息子世代にリメイクさせて儲け直そうという御大のエゴとビジネスモデルは立派なものである。