パパが遺した物語

『パパが遺した物語』を観る。ラッセル=クロウが一人娘を抱えて苦闘する作家の父、アマンダ=セイフライドが25年後のその娘を演じているドラマだけれど、子役のカイリー=ロジャースが達者過ぎてどうしてもそちらに目がいってしまう。ハリウッドの子役といえば大抵そうともいえるけれど、どのように大人びた感情表現をする子供というのは出来上がるのか。
監督は『7つの贈り物』のガブリエレ=ムッチーノで、過去と未来が交錯して因果への興味で引っ張る話の組み立ては、かの作品とよく似ている。脚本家は別人だけれど、これは監督の趣味なのか。ただし、それがうまいこと仕上がっているかは話が別で、現代パートのアマンダ=セイフライドは何やら問題を抱えているのだけれど、アダルトチルドレンそのままステレオタイプな描き方なので説得力というものに欠けている。大方の共感は得られないであろう。それなりに熱演しているので、ちょっと不憫な感じ。
ラッセル=クロウをあまり好まないことを思い出したのもあるけれど、いまひとつ。

松本城