『ブラックハット』のコンピューターに関する描写が実に古風というのは既述の通りだけれど、こちらとしてはいささか期待しているハッキング作業そのものは実はほとんど描かれてさえいなく、どちらかといえばソーシャルエンジニアリング重視で妙なリアリティはあるのだけれど夢がない。厨二的に。
天才ハッカーという触れ込みの主人公を演じるクリス=ヘムズワースが、どうもあまり役に立っていないように見えるのもそれに起因していて、ごく基本的なコマンドを打つぐらいがお仕事だし、最後は体力勝負というあたりも、そもそもの設定に難があって、結局のところ題材がマイケル=マンには向いていないという結論に落ち着く。