ムーン・ウォーカーズ

『ムーン・ウォーカーズ』を観る。アポロ11号の月面着陸ミッションに並行し失敗に備えたプランBとしての捏造映像を作ることになったCIAエージェントをヘルボーイことロン=パールマンが演じており、ベトナム戦争での戦闘ストレス反応を抱え不機嫌な役回りなのだけれど存在感があって全体を牽引している。このキャスティングがだいぶ奏功しているのではあるまいか。
往時の雰囲気を湛えるコダック調の色彩で画面は見応えがあるのだけれど、CM出身のフランス人監督の初映画作品ということなので凝り方にも納得がいく。全編イギリスを舞台にした英語の映画にもかかわらず、製作国はフランス・ベルギーということになっていてちょっとめずらしいと思ったのだけれど、離脱なきEUでは当たり前のことなのかも知れない。
なぜか撃ち合いまである一方、ロン=パールマンとフラワームーブメントのファーストコンタクトというのが物語の面白みとして構想されたストーリーであろうが、そのあたりはだから何なのかという感じがしないでもない。