『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』を観る。ビーチ・ボーイズのブライアン=ウィルソンの半生を描いた映画で、60年代の彼をポール=ダノ、80年代をジョン=キューザックが演じるという変わった趣向になっている。特に60年代のパートではポール=ダノその人によって迫真というべき状況が現出しており見応えがある。ずいぶんと重量を増やした役者の外見が似ているばかりではなく、音楽が滲み出てくる狂気ときたら実際にこんな感じだったのではあるまいか。
『Love & Mercy』は復活作となったアルバム『Brian Wilson』の一曲目で、2分ちょっとの短い曲ではあるけれど、ずいぶんと長い旅の果てに辿り着いたこの曲を使ったエンドロールは印象に残る。ブライアン=ウィルソン自身はこの脚本を必要以上にヘヴィーと評価していて、幾ばくかの救いはあるみたい。