世界史

マクニールの『世界史』を読み返している。以前、読んだときは文明の黎明あたりの語り口がピンとこずに結構、読み飛ばしてしまった気もするのだけれど、この本の美点は、何が分かっていないのかが、なんとなくわかるというところにあると思って読めば面白くてハマる。たかだか数千年のことがこうなのである。後世に知識を伝えるということについて歴史的なスケールではまだ十分な成功体験がないというのが、人類の実力というものではないか。これからすると、最近あった放射性廃棄物の管理は会社が400年、国が引き継いで10万年という話はやはり妄言としか思えない。