事務所の意向あるいは家事代行契約の終わり

Radiko.jpのタイムフリー配信は使ってみると便利なもので、あまり真剣に考えられた形跡のないアプリの基本的な使い勝手の悪さをおして番組を聴いたりもする。最近USのポッドキャストはトランプのニュースが多くて気が滅入るのだけれど、かわりに早朝、通勤のクルマのなかに星野源のオールナイトニッポンは意外とマッチして何なら元気が出るといってもいい。既出のように、星野源のファンであると認めるにやぶさかでないし、何しろCDだって買っている。
今週は藤井隆がゲストでカラオケパーティという企画だったけど、生放送で酒を呑んだのは初めてというタカスィ独特のテンションに牽引され、仲間内によるスナックでの飲み会みたいな内容で、当然のことながら話題もドラマ制作の舞台裏に流れていったのは芸能ニュースで既報の通り。
星野源の「好きですよ、もう既に」という発言は藤井隆に水を向けられての自然な印象で、公開告白というようなものでもなかったけれど、Yahoo!ニュースで取り上げられたあと、しばらくしてニュースそのものが当たり障りのない内容に書き換えられているのをみると、かえってその反応にびっくりする。大衆相手の情報操作はこの程度やってもいいという荒っぽさはふざけた話だし、事務所の意向なのは間違いないとして、アミューズか、それとも能年玲奈問題で悪名高いレプロなのかと、かえって邪推や憶測を誘うものだから、校則の厳しい中学校みたいなマネジメントはもうやめたらいいと思う。だいたい、逃げたっていい、どんな生き方だって自分の幸福追求について他人の異議は認めないということを主旋律としてきたドラマの背景としては、随分とつまらない現実ではないか。
そのドラマはいよいよ最終回で、次週予告をもとに勝手な妄想を展開するのもこれ限りかと思えば残念というほかない。
今回は、おそらくは婚姻関係の書類が入った磯子区役所の封筒を、平匡さんがゴミ箱におとすシーンが入っているのだけれど。これは第1話での、捨てたはずのものが机にあったので雇っていた家事代行サービスのひとには辞めてもらった、だから代わりをお願いしたいという、ファーストコンタクトでの会話に繋がるのではないかと勝手に考えて感動している。つまり、捨てたはずの書類をみくりがあるべき場所に戻すとき、家事代行の雇用関係は終わり、言ってしまえば新しい関係が始まるのであり、本編ではその文脈がそっと示されるのではあるまいか。その含意と平仄の美しさときたら。
ゴミを漁られたので解雇したという話は原作にもあって、状況のよくわからない不思議なエピソードとして記憶しているのだけれど、それをうまく使った円環の閉じ方はドラマ脚本のオリジナルで、ちょっと素晴らしくないですか、コレ。いや全て妄想なんですけど。