もちろん、『京都人の密かな愉しみ/冬』を録画しつつ正座しつつ観たわけである。総論として、まず続編の登場を言祝がねばならない。とはいえ、今回は微妙なコレジャナイ感が終始あって、事前の期待に反してシャーロット= ケイト・フォックスの投入が裏目に出たのではあるまいかという気がしなくもない。季節がめぐっているにもかかわらず、いきなり振り出しに戻る感のある「ぶぶ漬け論」は必要だったのかどうか。戸田菜緒の登場したミニドラマも、そもそも京都である必然性がないので微妙な消化不良が否めない。そもそも豆腐屋のエピソードをもう少し掘り下げる必要があったと思うのである。残念ながら、少しコンセプトを練り直す必要があるのではあるまいか。そういう点では、続編の難しさを京都の水という横断的なテーマで乗り越えていた夏のエピソードは優秀だったし、そうしたアイディアなしには表層的な京都の掟をぐるぐると語ることになるのではあるまいか。