本邦の所信表明演説における拍手煽動事件は、これを否定的に記録しておかないと記憶の奥底に葬ってしまう程度の話であるがゆえに、重ねて馬鹿げた振る舞いであると申し述べておく。振付師が依拠しているのは古典的に下品なファシストの手法で、恥を知るべきであろう。
一方、海の向こう、大統領選においては第1回ディベートの勝者はクリントンというのが定説になる流れだけれど、そもそもトランプの失点は彼の支持者からすると平常運転というべき言動によるものだから、実際のところはまだまだ気が抜けない。パパブッシュがクリントンに投票することを表明して、当人の老けぶり以上に驚いたけれど、本人がビル=クリントンと争って負けている歴史を踏まえれば、エスタブリッシュメントの危機感はそれほど大きいということでかえって怖ろしい。