Kindleで復刊された矢野徹の『地球0年』を読む。核戦争で米中ソが甚大な被害を受け日本も首都東京が壊滅した世界で、自衛隊がアメリカ西海岸まで出かけて治安維持活動を行うという、架空戦記物のハシリのような話だが、もとは1960年代の刊行なので今となってはアナクロというほかない世界観で、東宝の『世界大戦争』とラリイ=ニーヴンの『悪魔のハンマー』を合わせて、西村寿行か永井豪かというバイオレンスで味つけした感じ。人間のOSもだいぶ古いバージョンみたいなのだけれど、往時の感性を知るという点ではなかなか新鮮なものがあり、あっという間に読み終える。