外交常識

オバマ大統領のヒロシマとセットで真珠湾訪問というシナリオはかねて語られてきたことではあるけれど、トランプの大統領就任前に異例の会談を行った挙句、その異例についてオバマ政権からはクレームがついたというここまでの流れからすると、就任前会談の非礼に対して日本からは真珠湾訪問を差し出したというのが当件についての外交的現実というものではあるまいかと勘繰っている。
外交というのはプロトコルについての合意をベースにした貸し借りの世界で、そのバランスの取り方にもルールがあるというのが当方の理解なので、ことはオーソドックスな応酬というべきであり、特に文句をつけようというものでもない。
一方、これからの米国流がゼロサム的なビジネスの文法を外交にまで持ち込もうということになるならば、今回の外交局面も懐かしく思い出すことになるのではあるまいかと危惧している。大国が覇権を志向すれば掣肘する枠組みがないのが国際社会というもので、そこにルールがないとなれば、利害の調整は最終的に戦争という手段をとることになるだろう。