夜行

週が明けると森見登美彦の『夜行』が発売されるので、抜かりなく単行本の予約を入れたうえでKindleのお試し版を読んだりしている。紙か電子版かというあたりの判断は多分に感覚的なものではあるけれど、この作家の著作であればあまり迷うこともなく紙の本ということになる。『図書館の魔女』の高田大介も同じく。
森見登美彦の著作では『四畳半神話大系』が代表作ということになると思うけれど、個人的には『きつねのはなし』に収録されたいくつかの作品が特に好きで、これは内田百閒なら『東京日記』あたりがお気に入りという個人の嗜好に沿ったものなのだが、『夜行』はこれに近い文体が採用されていて読む前から嬉しくなっている。ラヴクラフトと内田百閒といくつかの古典文学の幸せな融合というのであれば無論のこと好物でしかない。