『真田丸』は信繁が大阪城入城の決意を固める回で、先立っては片桐且元の苦境が手際よく語られ、不思議に思っていたこの人の立場がなんとなく納得されたような気がして一人頷く。
だがしかし、きりと信繁の会話は予告から想像していたのとは逆の方向で虚を突かれた感じになる。どうでもいいことではあるけれど、きりのキャラクターは何となく、いわゆる現代的感覚の代弁者だと了解していたので、平成の価値観に従って人命優先であり、背中を押す役割ではないだろうと勝手に考えていたのである。これまでの回想にあわせたこのシーンは個人的には新鮮で、早丸に続いて本丸もみてしまう。