引き続き震度4を越える地震が頻発しているので、いささか感覚が麻痺しているはずだと思うのだけれど、16日の地震を評価した地震調査委員会のニュースにはちょっと肝が冷えるところがある。もとより火山活動との連動が気にかかってはいたけれど、布田川断層帯のズレが阿蘇カルデラの中にまで延伸していることが確認されてるのであれば、マグマそのものの変動は既に始まっているということではあるまいか。
観測されている小規模噴火がマグマの貫入によって惹き起こされており、そこでいったん収束するというシナリオがもっとも望ましいものだとして、観測機器そのものがまともに稼働していない状況ではそれを確かめることすらできず、目視を強化したとしても噴火してみるまでは分からないというのが現在の立ち位置だというのであれば、火山活動を前提において考えるべきであろう。これで何も起こらないというのであれば、そのこと自体、火山学者に日々の研究の糧を提供することになる。