悪党に粛清を

『悪党に粛清を』を観る。マッツ=ミケルセンを主人公に配して作られたデンマーク製の西部劇という珍しいシロモノだが、デンマークからの移民という設定で状況は説明されており、陰影の濃い画面と無法な荒野の雰囲気はマカロニウェスタンのよくできたオマージュとなっている。マカロニウェスタンはその名の通りイタリア製だけれど、デンマークがその精神をよく引き継ぐというのも面白い。
エヴァ=グリーンがちょっと複雑な役回りで、凄みのある西部の女を演じていて活躍しているし、マッツ様はもともと西部の寡黙な男という雰囲気なので、母国ではドイツとも戦った兵士というキャラクターが嵌っている。
CGとセットを使った画面はよく構成されていて、クライマックスは伝統的な一対多の銃撃戦で、93分の尺ながら満足感が高い。よろしいのではないだろうか。