仕事がドタバタしていることもあって、所詮は他国の大統領選という本事案への関心は低下していたと言わざるを得ないが、そもそもシナリオとしてはヒラリー大統領で決まりだったので今さら結果を確認する必要もなかったのである。投票が終了しない時間帯にTLを埋め始めた不穏なツイートにも昼近くまで気がつかなかったほどなのだが、13時を過ぎてなお、これは多少の賑やかしに過ぎないと思っていたのである。
ここまでくれば結果を見通すことができていたはずのネイト=シルバーの数理科学が、控えめにいっても回復不可能な体で崩壊していく様子はとても痛々しく、理性の敗北を目のあたりにしたように感じたのだが、おそらくそれも感傷ではない。
結果としての、いわゆるガラスの天井の分厚さには驚きもあるけれど、ヒラリーの不人気はともかく、つまりトランプを支持している人間を直視しなければこの結末を見通すことはできなかったということで、その点についてはいささか忸怩たるものがある。