Kindle Unlimitedは販促予算枠を使い切ったAmazonの一方的な配信停止に講談社が抗議するという流れとなり、ハタで見ているには失礼ながらまず面白いという感想しかないけれど、サブスクリプションモデルを従来通りの歩合で運営しようという話であれば、そもそも無理があるというものだろう。
Unlimitedタイトルは総閲覧数に応じて一冊あたりのロイヤリティが少なくなる仕掛けが採用されており、つまり特定タイトルの集中的な購読によって読まれれば読まれるほど相対的な費用圧縮が可能な損益計算となり、規模の経済によって収益を確保していく、従来のロングテールとは少しばかり異なるビジネスモデルをAmazonは考えているのだと思っていたのだけれど、だいぶ雰囲気が違うみたい。そもそもタイトル回転数が多すぎて成り立たないというのであれば、雑誌と漫画を選択肢にいれるのは無理がある。たとえば、小説や新書の分野に限定した制限なしの読み放題であれば、月980円の定額でも間尺にあうのではあるまいか。速読といっても限度があるし、一般的な購読数は月に数冊というあたりに落ち着こう。誰にとっても1日は24時間であるからには。