昭和な街角

何が起きても不思議ではない世の中だけれど、火浦功の新刊が出ると噂には聞いていて、竹本泉のイラストによる装丁を確認してなお疑心暗鬼ではあったものの、あけてみると四半世紀前に発表された短編の再収録であって、ああやっぱりと思いつつ、どこか残念という気持ちもないわけではない。同じく四半世紀という時間軸で完結した田中芳樹の『タイタニア』については今さら読むという感じでもないから、いろいろ複雑な心境であるとはいえ。