歴史的文脈

引き続き『真田丸』をみている。このところの楽しみは、本編のあと、時代考証に参加している丸島氏のTwitterアカウントに流れる読み解きを確認することで、最近の研究も取り入れながら構築されている三谷脚本の文脈がよく見えて実に面白い。石田三成と加藤清正の確執が先鋭的に描かれないのはなぜだろうと思っていたのだけれど、このあたりもそうした知見を踏まえて、文治派と武闘派のシンプルな対立という見方を排しているからみたい。
ドラマのほうは、石田三成の正念場もさることながら、ヘタレなイメージが定着しつつあった上杉景勝の大舞台に移りつつあり、いわゆる直江状のイメージとはちょっと違うキャラクターで描かれてきた直江兼続が、ひょっとすると本当に「上方の武士は今焼・炭取・瓢べ以下人たらし道具御所持候、田舎武士は鉄砲弓箭の道具支度申し候」としたためかねない雰囲気も出てきていて、直江状そのものの真贋をどのように評価するかもあわせ、いよいよ関が原に向けて目が離せない感じ。