『白い沈黙』を観る。少女を誘拐して長年にわたり監禁した挙句、その両親を窃視する真性の変質者が起こした事件の顛末を、時系列を前後させながら8年にわたる断片を細かくつないでみせていく。ライアン=レイノルズが主人公の父親だけれど、この種の追い詰められた役柄が多すぎるのではなかろうか。
全体に気鬱な映画であることは間違いないし、ちょっと作り過ぎという気がしなくもない。サスペンスとしては物語の駒を進める役割が二転三転するあたりに難があって全体に今ひとつという印象が残る。警察のチームがもっともらしく登場ししかし役割がなかったりするし、銃が登場したら発射されなければならないという警句に照らせば残念なところが多すぎる。